これは観たかった映画でしたが、時間が合わずに観られなくて残念な思いをしていたのですが
キネマ旬報シアターで昨年のベストテンに入った映画がもう一度スクリーンにかかり
この映画がかかったので喜んで観に行って来ました
イギリスの北部で確かな技術のある大工のダニエルでしたが心臓発作が起こり
医者から仕事は止められてしまいました。治療の間の生活のために
国の援助を受けに役所に行った時にシングルマザーのケイトとたまたま知り合うことになります
それぞれどうしても援助がないと生きていけないのに、役所の複雑なシステムに阻まれ追い込まれてゆく2人
自分が大変なダニエルですが、子供2人を抱えて頑張るケイトに自分ができるだけの助けの手を差し伸べます
とても実直で人間として正しいダニエル
それでも役所は煩雑なシステムと理不尽さで援助の手を差し伸べてくれはしません
メガホンを取ったのは一貫して同じ信念で映画を撮り続けているケン・ローチ
イギリスの良心と呼ばれているらしいですよ
この映画は心に静かに沁みてきます
理不尽な役所、やりきれない思い
当たり前に実直に生きる人に手を差し伸べられない社会
ケン・ローチは声高に映画は作りません、静かに怒りをスクリーンに写します
「I,DANIEL BLAKE」
この言葉が何よりも物語っています。題に涙してしまいました
最後もとてもやるせなくなりますが
「人の良心」が世界を変える そんな日がきっと来ることを祈るしかありませんね
この映画がシステムを変える力のある人に届くように、響くように、、
ケン・ローチがメガホン前言撤回して再度メガホンを取った意味がそんなところにあるのではないでしょうか
これはイギリスの物語でもありますが
日本でも同じことが起きている、、人ごとではありません